自由とは何か?
と問われた場合、あなたならどのように答えますか?
近代的な個人の自由?
宗教や政治、歴史を背景にした西欧思想史の中枢にあった自由?
エーリヒ・フロムの『自由からの逃走』やアイザイア・バーリンが提唱した二つの自由概念「積極的自由」と「消極的自由」でしょうか?
それとも、ただの言葉としての「freedom」でしょうか?
いずれにしても「自由とは何か?」という問いが、アバウト過ぎるため答えらしい答えを出すほうが難しいはずです。
「自由」という言葉の氾濫
「自由」を論じてしまうと、あっという間に「自由」という言葉は氾濫します。
佐伯啓思著の『自由とは何か』でも、「自由」は論じるほどに空っぽになっていくという現象が起こるそうです。
そのため、哲学的な「自由」について私は論じません。
代わりに、日本という国家が保障してくれている「自由」を紹介することで、自由について客観的に考えてみましょう。
日本国憲法で保障された自由
日本では憲法によって個人の自由が侵されないようになっています。
そうです。授業でも習った「基本的人権」です。
憲法第97条で基本的人権は以下のように定義されています。
「人類の長年にわたる自由獲得の努力の成果であって、侵すことのできない永久の権利」
その侵すことのできない権利として
平等権、自由権、社会権、基本的人権を守る権利があります。
そして、日本国憲法で保障された自由の権利である自由権は以下の3つが大原則となっています。
- 身体の自由
- 精神の自由
- 経済活動の自由
1. 身体の自由
「身体の自由」は憲法第18条、31条、33条~39条などで規定されています。
- 奴隷的拘束と強制的な労働を禁じる(憲法第18条)
- 法律上の手続き、かつ正当な理由なしでは逮捕・拘禁・処罰などの身体の拘束を受けず、生命と自由は奪われない(憲法第31条)と(憲法第33条~35条)
- 拷問や残虐な刑罰は禁止している(憲法第36条~39条)
2. 精神の自由
「精神の自由」は憲法第19条~21条、23条で規定されています。
- 思想および良心の自由(憲法第19条)。
- 信教の自由(憲法第20条)。
- 言論、出版、集会、結社その他一切の表現の自由(憲法第21条)。
- 学問の自由(憲法第23条)。
3. 経済活動の自由
「経済活動の自由」は憲法第22条、29条などで規定されています。
- 職業選択の自由、居住・移転の自由(憲法第22条)。
- 私有財産を保障し、国家はそれを侵してはならない「財産権」の不可侵(憲法第29条)。
私たちはすでに自由である
こうして見ると、私たちはすでに自由であることがわかります。
なぜなら、「自由」の基本である自分で選択し、自分で決めることが可能だからです。
好きな所で好きなように働き、好きなように表現することができます。
正当な理由なしでは、誰からも生命や財産を奪われることはありません。
たくさんの選択肢があり、自分自身で決めることが全ての人に可能なのです。
当サイトのサブタイトルには、「自由に生きたい!」とあります。
ただ、それは漠然と「自由になりたい!」と現状から解放されたいと願うものではありません。
たくさんの選択肢を探し、自らの力で「自由に生きる方法」を決めたい!
そう思って行動することだと考えています。
「自由」という言葉は、とても曖昧で不確かなものです。
しかし、長い歴史の中で手に入れた確かな自由に目を向け、選択の幅を広げることで、より自由に生きていくことができるのではないかと思います。
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