会社に行きたくない。もう辞めたい。
そんな風に思うことは、誰しも一度は経験したことがあるはずです。
会社を辞めることは、決して悪いことではありません。
本気でやりたいことがあったり、無理して体調を崩したりするぐらいなら辞めほうが賢明だと思います。
しかし、何も考えないで無計画で辞めるのは、あまり良い選択肢だとは言えません。
なぜなら、会社を辞めたら、良い意味でも悪い意味でも、環境が大きく変化するからです。
そのため、会社を辞めて後悔しないために、退職前にするべき7つのことを紹介しようと思います。
① 貯金をしておく
当然のことですが、お金がないと生活は成り立ちません。
次の転職先が決まっているなら別ですが、すぐに働かない場合だと、しばらくの間は無収入になります。
失業保険も自己都合退職の場合だと、3ヶ月ほどの給付制限期間があります。
また、給付制限がない方でも、ハローワークで手続きをして最初の失業保険が振り込まれるまでには1ヶ月ほど時間がかかります。
そして、頼みの失業保険の受給額も受給期間も人によってまちまちです。
受給額 = 退職前の半年間の平均月給の約70%。
受給期間 = 年齢と保険の加入期間で決定
どちらにしても、最低でも3ヶ月は生活できる貯蓄を用意しておきましょう。
そのため、貯金と同時に支出も把握しておく必要があります。
- 月にいくら支出しているのか?
- 退職後に支出は増えるのか?減るのか?
- 最低いくらあったら、しばらく生活できるのか?
以上の3つは、大まかでもいいので把握しておきましょう。
② 周囲に伝える
これは私の経験からなのですが、辞める際には周囲に伝えておきましょう。
私は、周囲に伝えず全て事後報告だったので、顰蹙を買いました。特に自分の親から。
年齢や立場によって少々異なりますが、以下の人たちぐらいには伝えておきましょう。
パートナー
何よりもパートナーには、会社を辞めようと決断する前から相談しておきましょう。
特に、結婚している場合には、パートナーも同様に大きく生活が変化してしまいます。
また、大黒柱として、働いている場合には、お互いにきちんと理解し合わないと今後の生活に大きく影響してしまいます。
辞めたい理由や、辞めた後のビジョンなどもある程度は明確にしておきましょう。
辞めたことによって、給料が上がる可能性もありますし、何より家族で一緒にいる時間が増やせます。
そういったポジティブな内容も、一緒に話すと良いはずです。
パートナーの両親
これはパートナーと結婚している場合だけで、良いと思います。
まだ婚約が決まってなくて、付き合っている段階なら伝える必要はないでしょう。
ただ、パートナーと結婚しているのなら、話は別です。
自分の親とは違うので、わからないことや細かな価値観などがわからないことが多いと思います。
それはお互い様ですので、ある日突然「会社を辞めた」と連絡されたら、不信感を抱くのも無理ありません。
困った時に、助けてもらおうと思っても、助けてもらえなくなる可能性も出てきます。
気は進まないかもしれませんが、今後の夫婦生活のためにも理解してもらうことが大切です。
仲の良い友人
気心の知れた友人は、唯一、気兼ねなく相談できる相手です。
会社のことだけでなく、パートナーのことや家のことなど友人だけにしか話せない内容もたくさんあります。
同年代であれば、会社が違っていても似たような悩みがあるでしょう。
困ったことや、しんどい気持ちも友人と話すことで気が楽になるはずです。
自分の両親
正直なところ、これは言っても言わなくても良いと思います。
なぜなら、ほとんどの親は、子供が会社を辞めると言ったら反対するからです。
これは私の経験もそうですが、同僚や友人に聞いた時も同様でした。
辞めようかと軽く口にしただけでも、猛反対でしたし、辞めたことを伝えても理解はしてくれませんでした。
理解してくれる両親なら、積極的に相談することをお勧めしますが、反対されるようなら話さなくても良いと思います。
モチベーションを下げられるぐらいなら「自分はもう自立してるし問題ない!」と割り切りましょう。
③ 退職の意思を伝える
退職の申し出は「2週間前に申し出ればOK」。
そんな風に思っていませんか?
これは、ネットなどで散見されている「民法上は、退職の意思は退職日の2週間前までに伝えれば大丈夫!」
などと書かれている情報が原因だと思います。
会社の就業規則は裁量であり、規定で1ヶ月の所もあれば3ヶ月以上の所もあります。
就業規則と法律である民法では、確かに民法が優先されます。
では、2週間前に退職届けを出して辞めるのは法的に問題ないのか?
これが、法的にも問題になる場合があるんです。
詳しい理由は、民法第627条の第2項や民法628条を説明する必要があるのですが、ここでは割愛させていただきます。
社労士さんや弁護士さんのサイトなどでより詳しく解説されているはずなので見てください。
結論だけ言うと、2週間前に辞めると言えば辞められるのは、全ての労働者に適用されるわけではないのです。
いずれにしても、退職の意思を2週間前に伝えて、すんなりと退職できることはないと考えてよいでしょう。
業務の引継ぎがうまくいかなかったり、新しい人材の確保ができなかったりして、先延ばしにされるケースもあるかと思います。
私自身、会社に退職の意思を伝えてから、実際に退職するまでに半年近くかかったこともありました。
そのため、会社を辞めると決めたら、少し早いくらいの段階で直属の上司に伝えましょう。
約3ヶ月~4ヶ月ほど前に伝えておけば、予定通りに退職できるはずです。
④ したいことリストを作る
会社を辞めると、明日から会社に行かなくてもいいという開放感にあふれます。
私も経験したことがありますが、本当に言葉にならないぐらいの清々しい気分です。
しかし、私は特に明文化した計画を立てていなかったので、時間を浪費してしまいました。
自由な時間が突然やってきたような感覚になってしまいますが、まったくそうではないと今では思います。
その自由な時間にも限りがあり、また突然やってきたわけでもなく、たくさんのリスクを背負って手に入れたものです。
貴重な時間を無為に浪費するのではなく、会社に行っていない今しかできないことを見つけましょう。
また、したいことを考えることが会社を辞める時の強いモチベーションになります。
立場や会社によっては辞めるまで、一筋縄ではいかないこともたくさんあります。
そんな時に、背中を押してくれるのが、本気でしたいことなのです。
⑤ クレジットカードを作る
退職して一番最初に失うものが、社会的信用です。
自分自身では、あまり変わっていないと思うのに社会は本当にシビアです。
今まで何をしていたかなんて「無職」という言葉の前では無力になります。
そのため、退職後は、クレジットカードやキャッシングの審査が高確率で通らなくなります。
これは個人事業主の場合でも、同様です。
流石に無職の時よりは、幾分かはマシですが、それでも「会社員」の信用には勝てません。
ですが、在職中に審査に通っておけば、無職になってもカードは使えます。
クレジットカードなんて必要ない。
キャッシングなんてしないから、キャッシング枠なんて設定しなくても大丈夫。
そう思っていても、いざ無職になったり、新しいことを始めたりした時には、何が起こるかわかりません。
年会費無料のカードであれば、作って損はないので、退職までにクレジットカードは用意しておくことをお勧めします。
ただ、無闇にたくさん作って、持っておけば良いというわけでもありません。
そもそも短期間でたくさんの申請をすると審査が通りにくくなります。
目安としては、短期間で申請して問題ないのは、3社ほどと言われています。
カードを持つ枚数も3枚ぐらいがちょうど良いと私は考えていますので、3枚以下の人はカードの申請を済ませておきましょう。
⑥ 病院に行っておく
意外と盲点になるのが「病院」です。
退職すると、保険証はすぐに会社に返却するので、健康保険証が使えなくなります。
つまり、役所で申請し健康保険証をもらうまでの一時期ですが、健康保険証がない状態となるので、医療費を全額負担する羽目になります。
一旦、全額負担で払った後に後日、保険証と領収書を持っていけば、ほとんどの病院は返金に応じてくれますが、対応していない病院もあります。
これは、窓口で払い戻すのが義務ではないからです。
また、病院によっては期限を設けていて1週間以内という場合もあります。
病院で対応してくれない場合は、健康保険組合の窓口で「療養費の申請」手続きが必要になります。
いずれにしても、面倒くさいことに変わりはありません。
これは何も病院に限らず「歯科医院」や「薬を貰う」ことにも当てはまります。
そのため、病院だけでなく、歯の治療などもできるだけ済ませておくのがベターです。
⑦ 転職サイトや求人サイトに登録しておく
これから会社を辞めて自由になるんだ!
だから、求人サイトなんて今は必要ないと思いますが、登録と情報収集だけはするべきです。
これは私の経験からですが、会社を辞めてやりたいことをやっていると財布の中が寂しくなってきます。
そんな時に、派遣や日雇いの仕事を探そうと思い、求人サイトに登録しようと思っても、まったくやる気が出てきません。
ようやく重い腰を上げ、登録を終えて職探しを始めてもいまいちサイトの感覚がつかめません。
結果として、すぐにお金が欲しいのに時間ばかりを費やしてしまいます。
また、サラリーマンに戻ろうと再就職しようと思った時も同様です。
一からサイトに登録し、使い方や企業研究すれば、自ずと時間を使ってしまいます。
苦戦すればするほど再就職に時間がかかり、お金が足りなくなります。
結果として、焦って条件の悪い会社に就職してしまう可能性も十分に起こり得ることです。
せっかく会社を辞めたのに、より条件の悪い会社にしぶしぶ働くような結果だけは避けなければなりません。
その他注意すべきこと
ネットなどを見ていると、退職前には支出を把握して、下げれる固定費は下げておこう!
といった内容の書かれたサイトなどがけっこうあります。
そして、引越し業者や格安スマホを紹介していますが、はっきり言って必要ないと思います。
そもそも引っ越し貧乏という言葉があるように、引っ越しには大金が必要になります。
引越し代や、新しい家の敷金や礼金など、退職前に貯金を減らすことが、しなければならないことだとは思えません。
また、通信費にいたっては、安さばかりを強調して、デメリットなどはまったくといって紹介されていません。
ただ、クレジットカードの審査でも説明したように、会社を辞めると第三者からの社会的信用はなくなってしまいます。
そのため、住宅やマンションをすでに所有している人ならば問題ありませんが、会社の寮や辞めたら遠くに引っ越したい人は要注意です。
なぜなら、家を探そうと思っても、賃貸契約が非常に困難になるからです。
「無職に家は貸し出せない」などといった法律は、もちろん存在しません。
しかし、オーナー(大家)から見た時、あなたは「どこにも所属しない無収入の人」です。
仮にあなたがオーナーだったら、無条件で物件を貸したいと思わないはずです。
寮や社宅、遠くに引っ越したい人、家賃の高すぎる物件に住んでいる場合に限っては、退職前に住居を探し賃貸契約を済ませておくことを勧めます。
また、学資ローンや住宅ローンを組みたいと考えている人も同様に、ローン申請を済ませておきましょう。
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