コロナ禍、新卒1年目なのに会社を辞めたくてたまらない僕が選んだ道とは

体験談

あなたは今、新卒で入った会社で働いていますか?

 

厚生労働省の調査では、新規学卒就職者で3年以内に離職している人の割合は高卒で39.2%。大卒でも32.0%いることがわかっています。

 

終身雇用が常識だった時代は遠く過去の話しとなり、新卒で入った会社を定年まで働く人のほうが少なくなっているのが現状です。

 

しかし、「新卒」というゴールドカードを使えるのは一度だけです。

新卒ですぐに会社を辞めると、今後のキャリア形成で不利になる可能性は確かにあります。

もちろん、理由によっては離職しても問題ないケースがあり、その見極めはとても難しいです。

 

今回ご紹介するのは、コロナ禍の中で新卒入社し、思い悩んだSさん(20代前半男性)の体験談です。

【プロフィール】体が弱く内向的な男の子だったSさん

幼少期の私は体が弱く引っ込み思案な子でした。

喘息を患っていたため、外で遊ぶことを好きにはなれず、折り紙をしたりテレビを見たりしている方が好きだったことを今でも覚えています。

 

そして、小学校に入ると勉強は普通にしつつ日々家でゲームを楽しむような子供に成長しました。

クラスでも目立つような存在ではなく友達も普通にいて放課後は友達の家で遊んで帰っていました。

 

しかし、中学生になると仲の良かった友人が運動部に入ったこともあり自分も入部することになります。

そこからは毎日が厳しいトレーニングの続きで結果も残せず退部も考えましたが、内申点のために3年間耐え最後の試合まで部員として残りました。

 

高校に入ると中学の反動で部活には入らず帰宅部で3年間を過ごします。

この時期にアニメと出会いその面白さに熱中し勉強は赤点を取らない程度にして、帰宅してはアニメをずっと見る生活を送っていました。

 

大学受験の時期になり焦りを感じ勉強を始めますが元々苦手なため第一志望には受からず滑り止めの大学になんとか合格します。

 

入学した大学は有名大学では無かったので1年生の頃から就活に焦りを感じ資格取得や大学の広報活動、ゼミナールなど積極的に行動しました。

学部は商学部でマーケティングの講義を受けそこから「マーケティング」という分野に興味を持ちインターンを活用して広告代理店に長期インターン生として所属しました。

 

しかし、就活では広告代理店ではなくプログラミングに興味があったのでSE(システムエンジニア)に絞り就活期間は2ヶ月で内定を貰いました。

【入社した会社】IT系の中小企業に就職

入社時期は2020年4月、業種はITで受託開発を主力事業としている中小企業です。

人数は50人未満、ベンチャー気質ではなく大人しく真面目な人が多く落ち着いた雰囲気のオフィスでした。

 

新型コロナウイルスの影響もあり、本来であれば9時半始業の18時半退社でしたが出社時間を1時間遅らせたり、16時半上がりにしたり柔軟な対応をしてくださり、緊急事態宣言が出てからは終日リモートワークに移行しました。

 

社長と統括マネージャーはオフィスにいない事も多かったですが、出社した際には声をかけてくれるなど新入社員には気を配ってくれました。

【入社後の生活】新型コロナウィルスの影響から家での作業が続く日々

入社後2週間は時差出勤で会社に行き4月中旬からは完全リモートワークになったので、ほぼ家での業務になりました。

3月まではバイトもしておらず家にいたので最初のうちは疲れもありましたが、デスクワークのため大きな疲れを感じる事はありませんでした。

 

業務内容はほぼプログラミング研修で自分もプログラミングが好きだった為、新しい知識を覚えていくことに面白さを感じ新鮮な日々を送っていました。

ただ同期が3人いたのですが実際に会って話したのは数日で一緒にご飯を食べに行くことも少なく自分はまだ距離感を感じていました。

 

しかし、リモートワークながら休憩時間にチャットのやり取りをしたりしていたので「仲が悪い」という事はなく程よい距離感だったと思います。

【会社に行きたくない!】研修についていけないSさん。教育担当の社員からも見捨てられ……

最初のうちは楽しくプログラミング研修を進めていましたが、もう会社に行きたくない(会社を辞めよう)と思った最大のきっかけは教育担当の社員に「向いていない」、統括マネージャーに「会社を辞めろとは言わないけど仕事を任せるかは難しい」と言われたことがきっかけです。

 

まず、研修の具体的な内容ですが教育担当の社員が作成した資料を参考に送られてくる課題を解いて終わったら提出してまた次の課題を送られるというシステムでした。

 

元々少し分かりづらい資料だと感じていましたが、4月中はプログラミング言語の中でも比較的分かりやすいHTML/CSSという言語だったので難しいと感じることはなくスムーズに課題に取り組んでいました。

 

しかし、5月になり実際で業務に使うJavaという言語の研修に入ったことで結果的についていけず退職という形になります。

 

「Javaは初心者には難しいけど汎用性が高いということでエンジニアになるなら必須のスキルだ」

と、教えられ頑張ろうとやる気は十分でしたが、いざ課題を渡されると何時間も手が動かず、資料を見ても全く分からずという状態でした。

 

この研修では他人やネットの力を借りることは禁止で、もし考えても分からなければ教育担当に聞くというルールでした。

 

もう自分では限界だと感じ教育担当の社員にヒントを聞こうと思いましたが、担当からは

「それはもう少し自分で考えてみよう」

と、言われ手も足も出ない状況になります。

 

というのも同期の2人は4月の時と変わらないスピードで課題に取り組み普通に解けていたからです。

この頃から少し焦りや「自分だけおかしいのか」と感じていました。

 

そこからは自分で本屋に行きJavaの参考書を買って仕事が終わってから寝るまで勉強し、できなかった課題を土日返上で考え、とにかく必死に勉強したと思います。

 

しかし、研修にもスケジュールがあるので自分ができなかった問題はそのままで明日はまた新しく課題が出され頑張っても同期との差は広がる一方でした。

 

そのうち教育担当もほとんど自分の事は気にかけなくなりました。

 

そんな状態が続き食欲が無くなる、会社のPCを開けるとお腹が痛くなる、熱は無いけど頭痛がするなど体調不良が出始めひどい時は、急な息苦しさや吐き気も感じるようになり会社を欠勤することもありました。

【その後の選択】会社を辞め、転職活動を始める

体調を崩し自宅で休んでいる時、

「自分はこの仕事で本当良いのか?」

と、疑問を抱くようになります。

 

元々プログラミングは将来性の高い仕事で、身に着いたらフリーランスにもなれるという理由で魅力を感じSEを志望しましたが、自分の能力については何も考えておらず楽観的に考えていました。

 

もちろん壁にはあたると予想していましたが、

「体調を崩すまで頑張っても出来ないことを仕事にして良いのか?」

「仮にできたとしても同期のようにスキルが高い人達とこの分野で勝っていけるのか?」

など深く考え退職を考え始めました。

 

6月に入り統括マネージャーとのヒアリング面談があったので思い切って、心の内を話し退職をしようか相談します。

 

そこで言われたのは、

「教育担当からは向いていないと聞いている、会社を辞めろとは言わないけど仕事を任せるのは難しいかもしれない」

という内容でした。

 

それを聞きその日のうちに退職の手続きをして退職しました。

 

入社してすぐに退職する事、コロナのなか職を失う事、かなり大きなリスクだと思いますが迷いはありませんでした。

そして、現在はwebマーケティングの分野で転職活動をしています。

 

応募しても落ちるのは当たり前だと思い、面接に行けただけでもありがたいという気持ちで日々求人サイトを見ています。

また少しでも収入が欲しいので副業としてブログやライティングの仕事も始めるようになりました。

【最後に】「会社に行きたくない!」と思っていた頃の自分に一言アドバイス

ヒアリングの時にすぐ決断せず、両親や転職に詳しい人に相談してもっと冷静に考えて決断すればここまでの苦労はなかったかもしれません。

ただ、当時の自分に言っても耳を貸さなかったと思います。

 

また、あのまま続けていても課題はできず同期との差は開くばかりで教育担当にも見放されていたのが予想できます。

仮に研修が終わり会社に所属し続けても大した仕事は任されないので、その状態もストレスになっていたでしょう。

 

その状態でずっと会社にいようとは思わない性格なので、常に仕事を辞める事を考えながら仕事をしていたと思います。

そうすると身が入らずミスも多く、何しろ会社にも失礼です。

 

なので退職という答えは変わりませんが、もし当時の自分にアドバイスをできるなら辞める決断をした時に1番最初に言うのは統括マネージャーではなく両親に言うべきとアドバイスしたいです。

おそらく反対され喧嘩もしますが、急に辞めるよりかはまだ両親との仲も円滑になっていると思います。

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